大手企業のNFT参入の動きが目に飛び込んでくるようになってきました。

この記事ではその一例として楽天が本格的にNFTに力を入れてきたニュースを取り上げます。

楽天は一体どのような形態でNFT事業に参入してきたのか、そして日本のNFT界隈にとってそれがどのような意義があるのかを考察していきます。

今回は楽天のNFT参入の動きの良し悪しを語りたいわけではありません。

みなさんには大手企業がNFT産業に入ってきた際、「その企業の動きによって今後の日本のNFT界隈にどんな影響がありそうか」ということを自分の頭で考えられるようになってほしいと思います。

今回はその具体例として楽天を取り上げるというだけのことです。

ご自身でも考えながら読み進めていってください。

「Rakuten NFT」初のコンテンツは「ULTRAMAN」

画像元:corp.rakuten.co.jp

まずは2022年1月現在で明らかになっている楽天の動きについて整理しましょう。

・独自のNFTマーケットプレイス及び販売プラットフォーム「Rakuten NFT」で提供

・初めて提供するコンテンツはULTRAMANのCGアセットを使用した「高画質エフェクト付きプレミアムデジタルアート」

・価格は7,800円(税込)

・日本円とポイントで売買可能

ウルトラマンは文字通り「誰でも知っている」キャラクターでありファンも多いので、大きな盛り上がりが期待できそうです。

一方これらの情報だけを見ても、今回の楽天の動きで「これはよい!」と思う部分と「これはイマイチじゃない?」と思う部分がありそうです。

順に見ていきましょう。

楽天の動きのよい部分

画像元:corp.rakuten.co.jp

まず、多くの日本人が知っているサービスである楽天がNFTの世界に入ってきたこと自体が大きな出来事ですよね。

これまでNFTに関心がなかった人でも少し興味を持ち始める人は出てくるかもしれません。

またコンテンツがウルトラマンというのも誰もが知っているという点でとてもよいと思います。

日本のNFTの裾野を広げるためには、今回の楽天の参入はとても意義があるのではないでしょうか。

そして楽天といえば有名なのが「楽天ポイント」。

楽天の各種サービスを使うことでゴリゴリとポイントが貯まりますよね。

楽天がリリースするNFTはなんと、日本円とポイントの両方を使って決済可能とのこと。

日本でNFTがまだ普及しない理由のひとつとして、「決済手段が仮想通貨(主にETH)だから」ということがあります。

「MetaMaskというウォレットを自分で用意して、Openseaというマーケットプレイスに接続して……」という手順も必ずしも誰でもできるわけではなく、一定のハードルの高さがあります。

その点、楽天のサービスは日本円とポイントというなじみのある手段での決済が可能なので、最近NFTに興味を持った人も比較的参入しやすいサービスになるでしょう

楽天の動きのイマイチな部分

では手放しでこの楽天の動きを喜べるかというと、必ずしもそうとは言えません。

Rakuten NFTのイマイチな部分を考えてみましょう。

まず、プラットフォームが楽天独自のものであることがあげられます。

NFTも含め、仮想通貨の世界には基盤となる技術として「ブロックチェーン」というものがあります。

このブロックチェーンには、

 ・パブリックチェーン

 ・プライベートチェーン

 ・コンソーシアムチェーン

という3つの種類があります。

そしてこのうち、本質的にブロックチェーンに期待されている機能(分散性や非中央集権性、ネットワーク参加者全体での合意形成など)を兼ね備えているのはパブリックチェーンだけです。

世界最大規模であるNFTマーケットプレイスのOpenseaなどはパブリックチェーンの上に構築されています。

一方、今回楽天が独自に開発したブロックチェーンは「プライベートチェーン」であることがわかっています。

これは楽天という「中央集権的な管理者」が存在するということ

詳細は省きますが、ブロックチェーンは「中央集権的な管理者が不在、そして分散化された開かれたネットワーク」であることが最大の特徴であり利点です。

今回の楽天の場合はプライベートチェーンなので、世界まで視点を広げたときに拡大の余地がどれくらいあるか、という点は少し疑問が残ります。

結局、狭い世界でのビジネスに終わってしまうのではないかという懸念があるということです。

わたしたちが楽天の動きから学ぶべきこと

新しい挑戦は素晴らしいことです。

今回の楽天の動きをきっかけに、多くの人がNFTに関心を持ってくれたらうれしいですしね。

一方、わたしたちユーザーはNFTのような新しい産業の中での個人・企業の動きは正しく見極めないといけません

ここで言う「正しく」というのは、「個人や企業の動きが、まだ成熟していない産業に対してどのような影響をおよぼしそうかを自分の頭で考える」ということです。

なにか絶対的な正解があるわけではありません。

新しい産業には、こうやったらうまくいくという決まったルートはありません。

NFTに関わろうと思っているみなさんが、みなさんなりの成功にたどり着けるように、ぜひ今回の楽天のような大きな動きに対しては自分の頭で考えるクセをつけるようにしてください。