メタバース空間などバーチャルな世界における利用法が話題になることが多いNFT。

一方で、今わたしたちが生活しているリアルな世界とNFTが結びついて新しい価値を生み出していることをご存知でしょうか?

先日、LIVE BOARD社・Bridges社・CoinPost社・電通社が4社共同で屋外広告枠の販売にNFTを活用した実証実験を行うことが発表されました。

この記事ではまず上記の実証実験の概要を解説します。

その後、NFTによってわたしたちが生きるリアルな世界の経済活動の可能性がさらに拡がっていくことについて説明します。

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本実証実験の概要

画像元:看板広告エージェンシー

この実験の内容を一言で表すと「権利をNFT化して販売する」ということです。

LIVE BOARD社は表参道に青山ストリートビルボードという広告媒体を保有しています。

平たくいえば屋外広告を出すことができる看板です。

その屋外広告枠に広告を出す権利をNFTにして販売しようというのがこの実験の趣旨です。

2022年2月現在、すでに入札は終わっていますが詳細を説明すると、

・権利(=NFT)を販売するマーケットプレイスは「Kaleido(カレイド)」

・広告を出したい人は個人でも団体でも誰でも応募可能

・落札時の支払いは仮想通貨MATIC(マティック)

このように扱うものが目に見えない「権利」であるのが新しい点ですが、販売から支払いまでの流れは既存のNFTアートを販売する仕組みとほとんど同じです。

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権利売買にNFTを用いることで拡がるビジネスの可能性

広告業自体はなんら目新しいものではありませんよね。

ですがそこにNFTを組み合わせていくことで、新しいビジネスの可能性が生まれます。

具体例をあげてみていきましょう。

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1. 取引の複雑さ解消、透明性・スピードの向上(広告代理店が不要になる?)

NFTを用いて権利売買をするということは、その取引はブロックチェーンの上で行われるということです。

ブロックチェーンの特徴の1つが、P2P(ピア・ツー・ピア)のやり取りが可能であること。

広告ビジネスにおいては、

 ・広告枠を持っている人(メディア)

 ・広告を出したい人(広告主)

が存在し、この間を仲介する役目を果たすのが広告代理店でした。

ところがP2Pのネットワークでは「中間管理者なし」での取引が可能になるため、広告代理店(中間管理者)を介さずにメディアと広告主で直接やりとりができます

結果的に取引はより簡単になり、やり取りのスピードも上がります。

また全ての取引はブロックチェーンに刻まれて改ざんもできないため、取引の透明性も向上します。

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2. 取引がよりグローバル化する

海外の個人や企業が日本に広告を出したいと思っても、日本の広告枠を買い取るのは簡単ではありません

既に述べたようにそもそも広告ビジネス自体が中間管理者の存在が大きく、流れも複雑です。

ところが権利をNFT化して販売することによって、海外の人も簡単に日本の広告枠を買い取れる可能性が出てきます

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3. 広告を出すハードルが下がる

海外の人・企業に限らず、そもそも日本にいるわたしたちにとっても屋外広告枠を買い取って広告を出すというのは簡単なことではありませんよね。

少なくともわたしは個人で広告枠を買い取って広告を出せと言われても、まったくやり方がわかりません(笑)

ですがNFT化された広告枠であれば、そのNFTが販売されているマーケットプレイスにアクセスでき、かつ自分の仮想通貨ウォレットを持っていれば個人でも簡単にその枠を買い取ることができます。

もちろん実務上のすべての手続きが簡単になるわけではありませんが、少なくとも「広告枠を売買する土俵に、個人でも簡単にアクセスできるようになる」ことは間違いありません。

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4. 有名な広告媒体を使って発信できる人が増える

広告枠をNFT化して販売することでどのようなメリットが生まれるのでしょうか。

それは「誰にでも有名な場所で広告を出すチャンスが増える」ことだと思います。

広告業は、個人にとってはアクセスが容易なビジネスではありませんでした。

ところがNFTを用いることで、個人も大きな企業と対等に広告枠を売買する土俵に上がることができます(資金力の差では圧倒的に不利ではありますが)。

特に個人で発信力・資金力を持っているインフルエンサーにとってはもしかすると面白いビジネスチャンスになるかもしれません。

リアルな世界へのNFT活用の事例として、今回の実証実験の結果を見守っていきたいと思います。