まずはこのツイートをご覧ください。

女性がパスポートを燃やしてる……ちょっと過激なツイートですよね。

しかしその裏には、深いストーリーがありました。

こちらの記事を元に解説します。

参考記事:Russian national will use sales of her burning passport NFT to support Ukraine (cointelegraph)

また後半では、ウクライナ情勢に関する募金について、仮想通貨を使った取り組みをご紹介しています。

故郷のパスポートを燃やした画像をNFTオークションへ

ツイートの女性は、ロシア出身で米国在住のオリーブ・アレンさん(アーティスト)です。

ウクライナの軍事衝突に関する認識と資金調達を目的として、母国のパスポートを焼却しました。

ニューヨークのロシア連邦総領事館の前に立ったアレンは、彼女が唯一持っているというロシアのパスポートを燃やし、そのビデオをNFT(nonfungible token)としてオークションにかけ、その収益をウクライナの人道支援活動に充てようと計画しています

「この国は常に自分のアイデンティティの一部であるが、ウクライナでの最近の行動から関係を断つことを選択しました。」

コインテレグラフの取材より

アレンさんは、「軍事」ではなく、「人道的な取り組み」に資金を送ることに重点を置きたいという願いで行動しています。そのため「セーブ・ザ・チルドレン」を通じた、寄付を考えています。

「セーブ・ザ・チルドレン」は、ウクライナの「戦争の十字砲火に巻き込まれた」約750万人の子どもたちのために、非営利の資金調達プラットフォームGiving Blockを通じてBTC/ETHで暗号による寄付を受け付けています。

パスポートを燃やしたら国籍は消えるの?

「パスポートを燃やす」という一見過激な行動ですが、そんなに意味があるのかな?

こう考える人もいるかもしれません。

しかしこのアレンさんの行動は、ロシア領土に戻ったときに逮捕される恐れもあるような、事実上の「ブラックリスト」に載る可能性があると言われています

実は、アレンさんが立っている場所は、アメリカにあるロシア領事館の前です。

一般に、パスポートを燃やしたからといって、自動的にどこかの国の市民権が放棄されるわけではありません。

しかし、今の状況で彼女の行動はかなりの危険を伴っています

仮想通貨を使った寄付|透明性が高い

アレンさんの活動以外にも、今回のロシア/ウクライナ問題を通じて、世界中で仮想通貨を使った寄付が行われています。

ウクライナでは、デジタル担当大臣のTwitterアカウント上で、BTC、ETH、Tether(USDT)、Polkadot(DOT)、Dogecoin(DOGE)で暗号の寄付を募るアドレスを掲載しています。

ブロックチェーン分析企業Ellipticによれば、ウクライナ政府やNGOを支援するために、仮想通貨やNFTといったデジタル資産によって集まった寄付金は、3月2日時点で合計4,200万ドル相当(約48.5億円)に達した。(CoinPostより:https://coinpost.jp/?p=326261)

ブロックチェーン技術を使うことによって、寄付金の流れは世界中に公開されるため、仮想通貨での寄付は透明性の高い活動といえるでしょう。

このように、仮想通貨を使った寄付活動は世界各地で広がっています。

もし皆さんがロシア/ウクライナ問題に対して何かしらの寄付を考えているのであれば、それは同時に、新しい技術に触れ、有効性を理解する機会かもしれません。