海外のクリプト関連サイトに投稿されたこんな記事にPVが集まっていました。
医療分野におけるNFTの活用というちょっと変わった内容です。今回はこの記事の内容をまとめつつ、NFTの実用性について考えてみました。
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Genomics x NFTsとは
「NFT」といえば、Crypto PunksやBAYCなどのプロフィール用途や、AxieやSandboxのようなGameアイテムを想像する方が多いのではないでしょうか。
しかし今回ご紹介している記事では、NFTが「精密医療」の分野でも重要な役割を果たすことが期待されています。
ゲノム企業であるGenetica社とWeb3データ管理会社であるOasis Labs社が提携し、GeneNFTという「データバックアップ型」のNFTプロジェクトが進んでいます。
具体的には、「遺伝子、環境、ライフスタイルの個人差を考慮した、病気の治療や予防のための新しいアプローチ」について、遺伝子プロファイルをトークン化すると言うものです。
患者は遺伝子データの所有権とインサイトの透明性を維持しながら、従来のゲノム検査では得られなかった多くの恩恵を受けることができるのでは、という狙いです。
従来の遺伝子検査会社は、研究のために患者のデータを収集する際には、その仲介業者を利用します。
ユーザーは機密性の高い健康情報を安全に保管するために、中央集権的な組織を信頼しなければなりません。
つまり、遺伝子プロファイルのデータは患者自身が所有できず、Web2的な組織が持つという構造です。
これは、最近騒がれているSNSにアップしたコンテンツの所有権が、そのプラットフォームで中央集権的に扱われていることが問題視されていることに類似していると感じます。
GeneNFTプロジェクトでは、ゲノムデータをNFT化することで、このモデルを完全に変えることができると言います。
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Genomics x NFTsのメリット
GeneNFTでは、遺伝子データをNFT化してブロックチェーン上に置き、私たちは自分の遺伝子データを所有することができます。
そして、遺伝子データを保存し処理するために必要な「静止性」「移動性」「機密性」の3つの要素を網羅することができます。
第三者が自分のデータへのアクセスを要求した場合、ブロックチェーンのスマートコントラクトを活用することで、その許可を選択できたり、支払いのプロセスも仕組化することができます。
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Genomics x NFTsのデメリット
一方で、いくつかの課題がGeneNFTの普及を阻む可能性があると言われています。
例えば、法的な側面から、患者情報の再識別の可能性を排除して、データを非識別化しなければならないという問題があり、条件によってはこれが困難になると説明されています。
具体的には、遺伝子NFTを使って臨床研究に参加する人は、一度データを提供すれば、まず治療を受けることになります。
この場合、個人のデータが特定されることになり、米国など特定の地域では規制上の懸念が生じる可能性があるそうです。
さらに、患者になりうる人々の9割が、NFTネイティブではないと言われています。そのため、遺伝子NFTの普及のためにはユーザーの教育から始める必要があるとしています。
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まとめ
Cointelegraphの記事から要点を絞ってまとめました。
「Genomics x NFTs」は、まだまだ最先端の分野なので身近な体験とはいえませんが…個人的には、NFTがエンタメではなく、医療の分野で活用される事例として面白いと思いご紹介させていただきました。