NFTに少しでも関わっている人ならば、OpenSeaこそが世界最大のNFTマーケットプレイスであることは知っているでしょう。

ところがそのOpenSeaに取って代わるかもしれないマーケットプレイスがあります。

それがLooksRare(ルックスレアー)

2022年1月に突然現れたこのプラットフォームは一瞬でOpenSeaを上回るシェアを獲得しました。

この記事ではLooksRareに関する基本的な事項をわかりやすく解説します。

LooksRare(ルックスレアー)とは?

画像元:https://looksrare.org/

LooksRareはエンジニアを中心に計12名のチームで運営されています。

ローンチ直後から規模を拡大し、2022年2月に入ってもOpenSeaを上回るシェアを誇っています。

LooksRareが話題になったきっかけは、独自トークン「$LOOKS」の発行とエアドロップです

仮想通貨界隈ではユーザーに対してトークンのエアドロップがよく実施されます。

サービスを早い時期から使ってくれたユーザーへのお礼という意味合いが多いですね。

トークンはそれ自体に価値が生まれ、市場で取引も出来るようになることが多いです。

ユーザー目線で見ればただでトークンをもらえるわけです。

このようなトークンの無償配布を「給付金」と呼ぶこともあり、この給付金を狙って新しいサービスをとりあえず使ってみるというユーザーもいるくらいです。

LooksRareが今回実施したエアドロップ、その配布対象に該当するための条件が秀逸でした。

$LOOKSが配布されたのは、一定期間内にOpenSeaで3ETH以上の取引をしたユーザー。

ETHの価格は変動しますが、おおむねOpenSeaで数10万円〜100万円超の取引経験があるユーザーになります。

つまりOpenSeaから見てもこの層は上客にあたります。

その上客に限定して給付金を配布することで、LooksRareはOpenSeaからユーザーを奪っていきました。

このようにユーザーや流動性を吸い取る方法を「ヴァンパイア・アタック」と呼びます。

ヴァンパイア・アタックの成功でLooksRareは急速にシェアを拡大しました。

OpenSeaとの3つの違い

LooksRareとOpenSeaの違いは大きく3つあります。

1.OpenSeaよりも安い取引手数料

OpenSeaのNFT売買手数料は2.5%ですが、LooksRareでは2.0%です。

どちらもかなり安いですが、LooksRareに軍配が上がります。

2. 散化した運営

OpenSeaは中央集権的な運営でここまで大きくなってきました。

一方、LooksRareは積極的にユーザーからの声を取り入れるなど、コミュニティ主導の分散化した運営を目指しています。

3. 独自トークンのステーキングができる点

受け取った$LOOKSは売却もできますが、ステーキングで報酬を得ることもできます。

LooksRareが得た手数料収入をステーキング報酬として還元できるので利回りも高く、これによりユーザーをつなぎ止めることに成功しています。

このようにヴァンパイア・アタックの成功に加え、随所でOpenSeaと差別化を図ることで今なおOpenSeaを上回るシェアを維持しています。

今後伸び続ける可能性は?

LooksRareの施策は今のところ大成功と言えそうです。

しかしこのLooksRare、注意すべき点もあります。

それは、今の盛り上がりはあくまでヴァンパイア・アタックで集めてきたユーザーのおかげであるということ。

自然発生的に大きくなったわけでもなく、OpenSeaのような先行者優位で大きくなったわけでもなく、お金で集めてきた人によって大きくなった状態です。

お金で集まった人はお金がなくなった瞬間に離れていくことは目に見えています。

そうなる前にサービス自体をいかに魅力的なものにしていけるか。

LooksRareの今後はその1点にかかっています。