いま注目を集めている仮想通貨の1つが「ASTR(アスター)」です。ASTRは日本発のパブリックブロックチェーンであるAstar Network(アスターネットワーク)で利用されています。
このAstar Networkは、Web3における基幹インフラを目指すプロジェクトです。Polkadot(ポルカドット)のパラチェーンオークションを勝ち抜き、世界で3番目にPolkadotへの接続を獲得したことでも注目されました。
この記事ではASTR及びAstar Networkに関する基本情報を解説した上で、最近話題になったASTR関連の情報を取り上げます。
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日本発のパブリックブロックチェーン
わたしたちが日本人としてぜひ注目しておきたいのは、Astar Networkが日本発のパブリックブロックチェーンである点です。
Astar Networkを開発しているのは、Stake Technolosies(ステークテクノロジー)社です。2019年に渡辺創太氏が設立し、現在の拠点はシンガポールにあります。
Stake TechnolosiesはPolkadotを開発するWeb3財団から助成金を受けたり、仮想通貨取引所Binanceや米Microsoft、日本の本田圭佑氏などからも支援を受けたりして、Polkadotのエコシステム構築に貢献してきました。
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ブロックチェーン同士の「円滑な」相互接続が目的
Astar NetworkはPolkadotへの接続権利を獲得しました。そこでまずPolkadotについて説明します。
Polkadotは「異なるブロックチェーン同士をつなぐ(相互運用を可能にする)」ことを目指したプロジェクトです。
現状、ブロックチェーンには「ビットコインのブロックチェーン」「イーサリアムのブロックチェーン」などが別々に存在します。そしてこれらのネットワークやエコシステムはつながっていません。
今わたしたちが使用している既存のインターネットは「日本のインターネット」「A社のインターネット」のように別個で存在することはなく、世界中のどこでもつながっています。
しかし、新しい時代のインターネットの中核となるブロックチェーンは、実は相互につながっておらず、これにより不便さが生じています。
この問題を解決するのがPolkadotです。Polkadotがブロックチェーン同士をつなぐ「ハブ」の役割を果たすことで、異なるブロックチェーンの相互運用が可能になります。
ところが、このPolkadotにも1つ難点があります。それは、Polkadot自体にはスマートコントラクトの実装機能がないことです。スマートコントラクトはブロックチェーンが持つ機能の中でも重要な役割を果たします。
例えばOpenSeaで自分が買いたいNFTを選び、購入ボタンを押せば自動的に自分のウォレットからNFT購入に必要なETHが支払われるのは、イーサリアムのスマートコントラクト機能があるおかげです。
「Polkadotはスマートコントラクトの機能を実装することができない」この課題を解決するのが、Astar Networkです。
Astar NetworkはPolkadotに接続し、スマートコントラクトの機能をPolkadotに対して提供します。Astar Networkが機能補完するおかげで、Polkadotはブロックチェーン同士をより機能的に接続することができるようになります。
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Astar Networkが持つ具体的な機能
では、Astar Networkが持つ具体的な機能について見ていきましょう。いくつか注目すべき機能がある中で、ここでは以下の2点について解説します。
- マルチチェーンのdAppsハブ
- dApps Staking(Build to Earn)
1. マルチチェーンのdAppsハブ
これは簡単に言うと「Astar NetworkはPolkadotに接続すると同時に、BSCやイーサリアムやソラナなどに接続することで、新しいユースケースを生み出せる」ということです。
例えば、Astar Network上でのBSCトークンとイーサリアムトークンの交換や、SOLを担保に別の仮想通貨を借りることなどができます。
2. dApps Staking(Build to Earn)
他のブロックチェーンと違い、Astar Networkには「開発者が開発をすることで報酬を受け取れる」という仕組みがあります。これをBuild to Earn(開発して稼ぐ)と呼びます。
従来は、開発者がシステム構築に最も貢献しているにもかかわらず、開発したアプリやサービスがリリースされて売上が立つまで、開発者には収入がありませんでした。
しかしBuild to Earnの仕組みにより、開発者はアプリやインフラを開発した際に生ずるブロック生成報酬の一定割合を受け取ることができます。
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仮想通貨ASTRの用途
次に、Astar Network上で発行されているASTRの用途について解説します。
ASTRはAstar Network上でのトランザクションのガス代支払いや、ガバナンストークンとしての機能を有するなど、様々な用途があります。
特に投資家視点で押さえておきたいのはdApps Stakingです。
Astar Networkではネットワーク自体にステーキングができることに加えて、Astar Network上のdApps(分散型アプリケーション)にもステーキングをすることができます。
例えば、UniswapがAstar Networkに接続した場合、Uniswapに対してASTRをステーキングできるということです。
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Astar Networkに関する最近の話題
2022年4月には漫画「左ききのエレン」の作中に登場するアートがNFT化されて販売されました。
その際に使用されたブロックチェーンがAstar Networkです。ちなみに2点出品された作品のうち1点は渡辺創太氏が落札しています。
また、こちらも4月に初めて情報が公開された、音楽を聴いて仮想通貨を稼げる「Listen to Earn」のサービスであるPENTA(ペンタ)もAstar Networkで開発されています。
PENTAの開発元は日本の企業ですので、左ききのエレン然り、PENTA然り、日本発のビジネスが同じく日本発のAstar Networkで展開されていることは日本人としてとてもうれしい出来事です。
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- 「仮想通貨はじめて」の人にもわかりやすい
- 画像多めで簡単に解説
まとめ
Astar Networkはいま世界的に注目されているブロックチェーンであり、利用される仮想通貨ASTRも同じく世間の関心が高まっています。
国内未上場のため、手にするには必ず海外取引所を利用する必要がありますが、興味が湧いた方はぜひ1度ASTRに触れてみてください。